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Books for Teachers

学校教育をよりよくしたいと思う方、そして現場でがんばる先生たちにおススメの本を紹介します。

女性教師だからこその教育がある!

女性教師だからこその教育がある! (紹介:斎藤早苗)

女性教師だからこその教育がある!

女性教師だからこその教育がある!

 

多賀先生が「はじめに」に書かれているが、学校現場では女性の先生が増えているそうだ。団塊の世代の大量退職の後、新規採用される先生の中にも、女性がたくさんいるだろう。

でも、講演やセミナーをされるのは男性の先生ばかりで、書籍を出されているのも男性がほとんとだ。そんな中で、多賀先生が女性の先生から相談を受けることが多くなり、女性の問題については、先輩の女性教師に語ってもらうのが一番なんじゃないか、ということで、千葉の藤木先生と北海道の宇野先生に声をかけて実現させたのがこの本だ。

働く女性を勇気づける一冊

教育書なので、女性教師だからこその「教育論」や「学級づくり」「授業づくり」などの話題の他、「職場論」や「仕事術」など多彩な内容について、それぞれの先生が考えを語り、多賀先生のコメントまでついているぜいたくな一冊だ。

「教師の仕事」について書かれているのだが、同じ働くお母さんとしては、もうほんとに強烈に共感できることばかりで、あっという間に読んでしまった。どのような職種の人でも、多かれ少なかれ同じような経験をされてきているだろうと思う。

自分が「好き」で「やりたい」と続けてきた仕事ではあっても(そうでなければなおさら)、保育園に預ける子どもに「いや~行かないで~」と泣き叫ばれたり、具合が悪い子どもを残して仕事へ出かけなければならなかったり、子どもとの時間が十分に取れないことに悩んだり、また協力的でない夫に腹を立てたり・・・ほんとに仕事を続ける意味があるのか、とくじけそうになったことは、皆さん一度や二度ではないだろう。

子どもが成長し、子育てが終了したあとに振り返れば、だいたいのことは何とかなるもので、そんなに思い詰めなくても大丈夫だよ、と言ってあげたくなるのだが、その渦中にいるうちはそんな余裕はないこともよくわかる。

だから本書は、今がんばっている女性を勇気づけてあげられる、励ましの一冊になると思う。

 

 男勝りななかでの気配り

藤木先生の「男勝り」な仕事ぶりの中にも、細やかな心配りができることが大切というお話、さらに宇野先生の2つの「甘え」についてのお話は、とても印象深い。

「男女平等」と言われるけれど、やはりどこか女性は低く見られがちなところがある。でも、それに立ち向かって「男勝り」にがんばってこられた先輩方がいたおかげで、ずいぶんと女性に対する見方も変わってきたのだろうと思う。

でもそんなにがむしゃらになり過ぎなくてもいいと思うのだ。男性、女性、それぞれに良い面と足りない面があるのだから、お互いに良い面を伸ばし、足りないところを補うことを考えればいいと思う。

男性と一緒に仕事をする中で、女性がした方がいいと思うことは、率先して行うことが大切だと学びました。その方がぎすぎすしないで、職場が円滑に回るのであれば、それが女性の役割だと思います。お茶を入れたり、ちょっとした片づけをしたり、丁寧に物の収納をしたりできるようになりたいものです。「気配り」は、男女問わずやれることですが、女性に似合う仕事だと思います。(P.119 藤木)

 

お茶出しに嫌悪感を抱く女性もいるが、もてなされるお客様にしてみれば、強面のおじさんがお茶を出してくれるよりも、やさしい女性に出してもらった方がほっとするんじゃないかなと思うので、そこは意地を張ることないんじゃないのかな、と私は思う。

そんな風に、「これは男の仕事」「これは女の仕事」とはっきり分けるのではなく、できる人がやればいいことは案外たくさんあると思う。

 

2つの甘え

宇野先生の2つの「甘え」は、「甘えるな」と「甘えなさい」だ。

これもとても共感できる。自分で努力できる部分はとにかくがんばらないとダメだ。仕事に対しては、まずは自分でやってみる、自分でやって納得するという姿勢を持っていないと、自分の言葉として語れるようにはないよ、ということなのだろうと思う。

本当に苦しいとき、大変なときは、「助けて」って言えることも大事です。だってあなたは唯一無二の存在。自分を大事にできない人が他人を大事にすることなどできないのですから。(P.135 宇野)

がんばってがんばって、それでもダメなときは助けを求めること。自分だけで抱え込んでしまって、周りから状況が見えない状態にしてしまうと、手を差し伸べてもらうことができない。仕事はチームでやっているということを忘れず、まわりに「助けて」と言える勇気を持ってほしい。2つの「甘え」には、こんなメッセージを感じた。

 

女性は、ライフステージが変わるごとに、さまざまな困難に直面することが多い。でもまわりの人々の協力を仰げば、たいていのことは何とかなる。手を貸してくれるたくさんの人々に、いつも「ありがとう」の気持ちを忘れず、自分が楽しめる時間も持ちながら、乗り切ってほしいなと心から願っている。

教師だけでなく、働くお母さんたち、これから結婚や子育てを経験する若い世代の人たち、いろいろな女性に読んでほしい。

女性だけでなく、男性も読んでくれるといいな。たいへんさを理解して、進んで協力してくれる男性が増えると、さらにいい(笑)

 

~関連記事~教師としての生き方についてなど

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斎藤 早苗(さいとう さなえ)

愛知県在住の3人の子どもたちの母。頼まれると断り切れない性分で、幼稚園から中学校まで、何度もPTA活動に参加。小牧中学校PTA元会長。小牧中学校校長(当時)の玉置崇氏との共著に『「愛される学校」の作り方―悩める校長とPTAを救う!実践とノウハウ』がある。