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Books for Teachers

学校教育をよりよくしたいと思う方、そして現場でがんばる先生たちにおススメの本を紹介します。

新年度スタートに読みたい本たち

教育全般 教育政策 教師論 家庭・地域・学校 社会を見る目 おススメ

みなさん、こんにちは。今回は「春休み、新年度スタートに読みたい本」をテーマに、レビューアーの方に3冊ずつ推薦してもらいました。ひとこと、ふたことコメントもつけています。(妹尾より)

★斎藤 早苗セレクト★保護者が選ぶ「保護者対応」の本と「教師の時間術」の本

大学では教えてくれない信頼される保護者対応

著者がまえがきに書かれているが、私も読みながら「ここまで教えないとダメなのか」と、若い世代が何も知らないことに正直ガックリきた。

だが、そんな今の時代に合わせて、私たち大人も考え方を変えないといけないのだと気付かせてもらえた。 本書では、具体的な対応策だけでなく、なぜそうしなければならないのかという、対応の意味も解説してくれているので、若手教員がこれから先の長い教員人生に役立てることができると思う。

大学では教えてくれない 信頼される保護者対応

大学では教えてくれない 信頼される保護者対応

 

 策略プレミアム-ブラック保護者・職員室対応術

こちらは、著者が自身の経験をもとに、どのようなクレーム(受け取り方を変えてみると、すべてがそうではないのだが)があったか、それにどのように対応してきたかという事例が多く紹介されている。

さらに「職員室」も話題になっているのが画期的だ。上司との関係、同僚との関係で悩むことは、どなたも経験があるだろう。 現場で「ある、ある」という事例ばかりなので、参考になると思う。

策略プレミアム-ブラック保護者・職員室対応術

策略プレミアム-ブラック保護者・職員室対応術

 

仕事に押し潰されず、スマートに学校を動かす!スクールリーダーのための「超」時間術

「時間術」と聞くと、「時短」「効率化」を連想される方が多いと思う。効率化はもちろん大切ではあるが、なんでもかんでも減らして、時間を短くできればよいというものではない、ということを教えてくれる本である。 効率化を図り、生み出した時間を、どのようなことに使うべきなのかを示唆してくれている。

管理職はもちろん、学校のリーダー的立場にいる方々には、この本から「時間の経過(見通しを持つ)を意識すること」を読み取ってもらえるとよいと思う。

仕事に押し潰されず、スマートに学校を動かす!  スクールリーダーのための「超」時間術

仕事に押し潰されず、スマートに学校を動かす! スクールリーダーのための「超」時間術

 

 

★栁澤 靖明セレクト★

奨学金が日本を滅ぼす

いま、大学生の半数以上がなんらかの奨学金を利用しているという衝撃な事実から始まる。しかも奨学金の実施主体が、日本育英会から日本学生支援機構に変わり、滞納が3ヵ月でブラックリストに載る。さらに、本書では支払いが滞り延滞金が発生した場合、その後の支払いは「延滞金→利子→元金」の順に充てられる問題も指摘している。 日本が滅びる前に、給付型奨学金の充実が急務である。

奨学金が日本を滅ぼす (朝日新書)

奨学金が日本を滅ぼす (朝日新書)

 

書く力

元NHK の池上氏、読売新聞の竹内氏の対談を「朝日」が新書600 巻を記念してつくったという不思議本である。池上氏の『伝える力』シリーズが面白かったので読んでみたが(たぶんこういう人間は多い、ちなみに『伝える力は』PHP 新書)、こちらも勉強になった。

特に参考になったのは「ブリッジ」の作り方である。テーマと書き出し、冒頭と結論、結論と読者を繋げるというように文章構成の基本は巧みな「ブリッジ」の繋ぎ方だという。 具体的な参考文章がいくつもあげられているのでたいへんわかりやすく勉強になる。

書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書)

書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書)

 

個人型確定拠出年金iDeCo 活用入門

今年の1月から、公務員でも「個人型確定拠出年金」に加入することができるようになった。読者には、公務員も多いだろうからおススメである。30 分くらいで読める入門書だが、投資先のススメなどもある良書。確定拠出型年金とは、一言でいえば「年金型投資」である。

「投資!? 損する可能性があるならやらない」その選択ももちろんありだ。だが、さまざまなプランを検討し、負けない投資術を身につけるのも面白い。 本書では、厳選された「投資先」や「利幅」の情報「運用プラン」などの掲載もあり実用書としても使えるだろう。

一番やさしい!  一番くわしい!  個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門

一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門

 

 

 ★渡辺光輝セレクト★

あと1%だけやってみよう 私の仕事哲学

九州新幹線「つばめ」や「ななつぼし」などののデザインに携わった工業デザイナー、水戸岡さんの仕事に関する「哲学」を36の言葉を取り上げつつ語っている本。たとえば「仕事とは相手と感動を共有することである」「孤独が深ければ深いほど考えが深まる」などの刺さる言葉が並んでいる。

プロフェッショナルは何を考え、どう判断しているかその思考過程を知ることができる。教師だけでなく、全ての職業人は一読すれば必ず得るところがあるだろう。

あと1%だけ、やってみよう 私の仕事哲学

あと1%だけ、やってみよう 私の仕事哲学

 

子どもの思考が見える21のルーチン

授業における学習活動での子どもの思考を活性化、可視化する活動を「ルーチン」(=習慣)化し、繰り返し取り組んでいくことで、教室に「考える文化」を創り出そうというコンセプトの本。 全米の様々な教室で取り入れられている学習活動から、共通して使えそうなものを「思考ルーチン」として21個抽出している。たとえば、「ルーチン1 見える・思う・ひっかかる」や「ルーチン17 なりきり」など。このように子どもでも分かる言葉で表現されているのもよい。

この本のユニークなところは、これらの学習技能を、あらゆる教科や学年段階で取り組むことのできる「ルーチン」として提案しているところ。次の学習指導要領でも「教科横断的な資質・能力」に脚光を浴びつつあるが、このように教科を横断する学習技能の一つとして「思考ルーチン」という発想は有効だろう。

子どもの思考が見える21のルーチン: アクティブな学びをつくる

子どもの思考が見える21のルーチン: アクティブな学びをつくる

  • 作者: ロンリチャート,カーリンモリソン,マークチャーチ,Ron Ritchhart,Karin Morrison,Mark Church,黒上晴夫,小島亜華里
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2015/09/24
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (3件) を見る
 

心理学の「現在」が分かるブックガイド

心理学のありとあらゆる研究領域に関する基本文献を網羅し、それに初心者でも理解できる簡潔な説明を付けた便利なガイドブック。

心理学者が厳選した文献には、いわゆるトンデモ心理学の類いの本は一切なく、学習心理学や発達心理学、犯罪心理学などの最新の研究知見を一望することができる。 このガイドブックを手引きにして、興味をもった本を読み進めていくことで心理学に関する深い知識へと至ることができるだろう。

心理学の「現在」がわかるブックガイド

心理学の「現在」がわかるブックガイド

  • 作者: 越智啓太,徳田英次,荷方邦夫,望月聡,服部環
  • 出版社/メーカー: 実務教育出版
  • 発売日: 2011/04/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 1人 クリック: 7回
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★妹尾昌俊セレクト★どうせやるなら、楽しくおもしろく

自分の時間を取り戻そう

著名なブロガーちきりんが、ついつい仕事優先で生きてしまうわたしたちのライフスタイルに、ほんとにこれでいいの?と問いかける一冊。長い時間働くことによって問題を解決しようとするのはダメダメなど、生産性を嫌でも意識するようになる本。

具体的なエピソード、ストーリーで解説されるのでとてもわかりやすい。多忙な毎日にギモンを感じている先生にも、子どものために一生懸命でなにが悪い?と思っている先生にも一読を勧めたい。

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

 

 白熱!「中学読書プロジェクト」

新年度で、どんな学校にしていこうか、ビジョンや計画を練っている管理職等も多いと思う。この本では、ビジョンと戦略をもって、学校がチームとなって取り組むことの意味を実感できる、優れた実践が載っている。

本書は、ある公立中学校が、全校生徒を巻き込んだ読書活動でなにが変わっていったかを記録したもの。ワークシートが載っていたりと、具体的なので、再現性も高い。副題に「集団で正解のない問いについて考える1か月」とあるように、新学習指導要領でも求められている力を高める実践と言える。たとえば、走れメロスを題材に、王様の視点にたつとどうかという感想を生徒が発表しあう。国語の授業で○×が付く世界とはちがった教育の面白さを本書を通して感じ取ってほしい。

白熱! 「中学読書プロジェクト」―集団で正解のない問いについて考える1か月

白熱! 「中学読書プロジェクト」―集団で正解のない問いについて考える1か月

 

人生がうまくいくシンプルなルール

ベストセラー『スタンフォードの自分を変える教室』のケリーさんが日本の読者向けに、軽いタッチで科学的な知見などを紹介するエッセイ集。

成功をどう引き寄せるか、人間関係をどう築くかなどのテーマが並ぶ。よくある自己啓発本のテーマとも重なるが、ケリーさん自身の体験談が多くあり、読みやすいし、スタンフォードなどで教えている内容の一端も垣間見ることができる点もよい。

スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール

スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール

 

 

★今日はこんなところです。読者のみなさんもおススメ本があったら、ぜひご紹介くださいね~