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Books for Teachers

学校教育をよりよくしたいと思う方、そして現場でがんばる先生たちにおススメの本を紹介します。

教師の覚悟-授業名人からなにを学ぶか

教師の覚悟 (紹介:斎藤早苗)

教師の覚悟――授業名人・野口芳宏小伝

教師の覚悟――授業名人・野口芳宏小伝

 

スゴイ本を読んだ。一気に読んだ。

良い本の読後感は、感動であったり、衝撃であったり、元気が出たり、反省したり、いろいろあるが、今回はしみじみと尊敬の念に包まれた。

リーダー論に興味のある全ての方にお届けする

すばらしい実践家で、教育界においては唯一無二の存在であることは、誰もが認める野口芳宏先生の「人生の書」とも言える本書が世に出たことに感動し、編まれた松澤正仁先生の偉業に心から敬意を表したい。

帯に書かれている「修業論、リーダー論に興味のある全ての方にお届けする」という言葉どおり、教師以外の人にもきっと感じることがある本だ。
 
私が持っている野口先生のイメージといえば「豪放磊落」という言葉が思い浮かぶ。
しかし、その豪快なイメージの中には、ブレない芯を持つ「信念の人」という思いもあった。本書を読んで、その思いをさらに強くした。

強い信念があるからこそ、その行動や発言には多くの人が納得し、共感するのだろう。
生き様が、人間性に現れるということを、教えていただいた。

 

「本音 実感 わがハート」

野口先生のこの言葉が好きだ。

教師には「授業力」はもちろん必要だが、「人間力」がとても大切なのではないだろうか。

野口先生は、自身の失敗談も臆さずに子供たちに語ってこられたという。その人間味あふれる接し方こそ、教師と子供の信頼関係構築には必要だろうと思うのだ。教師は、自分の経験や思いを、自分の言葉で子供に語ってほしい。


昨今、教師の言葉には、いろいろな制約が付けられて、本音で語ることが難しい現状がある。仔細なことの揚げ足を取る風潮を怖れて、教師が語れなくなっているのは、本当に残念なことだと思う。

教師は、良きにつけ悪しきにつけ、子供に大きな影響を与える存在だ。そうであるならば、教師ができるだけ良い影響を与えられる存在になれるように、保護者や社会が後押ししてやるべきではないだろうか。厳しい目で監視するだけでは、教師は萎縮してしまう。

厳しい中にも温かい目を持って、時には叱咤激励しながら、温かく見守っていけるだけの度量が、私たち保護者にも必要だろうと思う。

 

教師の 「師」

「プロ教師」である以上、教師には「学び続ける姿勢」が不可欠であろう。

「師」を持ち、師から学ぶことに貪欲に取り組む覚悟がある教師は、きっと子供たちから慕われ、保護者から信頼され、応援されるだろうと思う。本書では、全国各地で講演をされている野口先生の姿が書かれているが、そうした講演会に足を運ぶ熱心に学び続ける教師がたくさんいるのだ。それらの教師たちが、新しくつながり、切磋琢磨しながら互いに刺激を与え合い、ますます成長して、すばらしい教育を実践してくださることを願ってやまない。
 
現役の教員で「全集」を発刊できる人が、世の中にどれほどいるのだろうか?

本当に、野口先生が偉大な実践家であることが、この本のおかげでよくわかった。この偉人の存在を教えてくださった玉置先生に、心から感謝している。

良い本に出合った満足感に包まれている。ありがとうございました。

 

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斎藤 早苗(さいとう さなえ)

愛知県在住の3人の子どもたちの母。頼まれると断り切れない性分で、幼稚園から中学校まで、何度もPTA活動に参加。小牧中学校PTA元会長。小牧中学校校長(当時)の玉置崇氏との共著に『「愛される学校」の作り方―悩める校長とPTAを救う!実践とノウハウ』がある。